秋田の風習は面白い?日常でよくある習慣と伝統行事16選を紹介

秋田には、昔から受け継がれてきた風習や、今も日常の中で自然と続いている習慣が数多くあります。この記事では、そうした秋田ならではの日常の風習をわかりやすくまとめています。特別な行事というより、普段の生活に息づく習慣を中心に取り上げているため、秋田の暮らしぶりや土地柄を知る一つのきっかけとして活用できる内容になっています。

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秋田の日常の風習6選

漬物をがっこと呼ぶ

秋田では、漬物のことを親しみを込めてがっこと呼ぶ風習があります。たくあんだけでなく、きゅうりや山菜の漬物もまとめて「がっこ」と言い、食卓には数種類のがっこが当たり前のように並ぶ家庭も少なくありません。

漬物とお茶を囲んでおしゃべりする時間はがっこ茶っこと呼ばれ、人が集まる場に欠かせないひとときでした。大根を燻して漬けたいぶりがっこをはじめ、味噌漬け・麹漬け・山菜の醤油漬けなど、多彩ながっこ文化は、雪深い秋田の暮らしを支えてきた知恵でもあります。

赤飯に砂糖を入れる

秋田の赤飯は、一般的なしょっぱい赤飯とは違い、砂糖を加えて甘く仕上げるのが大きな特徴です。豆にはてんこ小豆が使われることが多く、色がよく出て豆が割れにくいことから、おめでたい席の縁起物として重宝されてきました。

盆正月、誕生日、入学・卒業などのハレの日にはもちろん、天寿を全うした人の葬儀で黒飯として炊かれる地域もあります。甘い赤飯を家族や近所と分け合う風習には、お祝いもお別れも、まずはご飯を炊いて分かち合うという秋田らしい感覚が表れています。

保存食づくりが豊富

豪雪と長い冬を過ごす秋田では、保存食づくりが生活の一部として発達してきました。大根を囲炉裏で燻して米ぬかに漬け込むいぶりがっこ、冬場によく食べられる鱈汁やハタハタ鍋、山菜を塩漬け・味噌漬けにして一年中楽しむ工夫など、地域ごとに多彩なレシピがあります。

どれも冬のあいだの栄養源を確保するという目的から生まれたもので、単なる郷土料理ではなく暮らしの知恵そのものです。現代のように冷蔵庫が普及した今でも、家庭や地域イベントでこうした保存食を作り続ける風習はしっかり息づいています。

夏は路上のババヘラアイス

夏の秋田の国道沿いやお祭り会場で、カラフルなパラソルと小さなテーブル、おばちゃんが立っていたら、それはババヘラアイス。中年以上の女性が金属製のヘラでアイスをコーンに盛り付けることからこの名前で呼ばれています。

ピンクと黄色のアイスをバラの花のように形作るバラ盛りは職人技で、昔懐かしい素朴な味とともに、いまや秋田県民のソウルフード的存在。春から秋にかけて売られますが、とくに夏場は県内各地で見かける路上の風物詩で、ババヘラを見ると夏が来たと感じるという人も多い、日常に根づいた風習です。

冬の魚と言えばハタハタ

秋田で冬の魚といえば真っ先に挙がるのがハタハタです。毎年11月下旬から12月頃、男鹿半島から県北の海岸にかけて産卵のために接岸し、沿岸部のまちでは冬の風物詩として親しまれてきました。

塩焼きはもちろん、魚と米麹・野菜を重ねて発酵させるハタハタ寿しや、魚醤しょっつるを使った鍋料理など、ハタハタを主役にした家庭料理は数えきれないほど。保存性を高めるための発酵技術も含め、ハタハタは秋田の食文化を語るうえで欠かせない神の魚といわれる存在です。

雪囲いや屋根の雪下ろし

秋田の冬には、庭木や家を雪から守るための雪囲いと、屋根に積もった雪を落とす雪下ろしが欠かせません。湿った重い雪が多い地域では、放置すると家屋の破損や落雪事故につながるため、初冬になるとどの家庭も早めに準備を始めます。

雪囲いは板や竹で植物や窓を覆い、雪下ろしは家族や地域で協力して行うことが多いのが特徴です。近年は高齢者世帯を支える除雪ボランティアも広がり、冬の厳しさのなかで自然に助け合いが生まれる、秋田らしい暮らしの風習として今も大切に受け継がれています。

秋田の有名な伝統行事10選

なまはげ

なまはげは男鹿半島で行われる伝統行事で、鬼のような面と藁の衣装をまとったなまはげが家々を訪れ、怠け者を戒め、子どもの教育や家の無病息災を祈る習わしです。

もともとは歳神様が訪れる正月の年神行事だったとされ、年の暮れに当たる旧暦の正月にあたる時期に行われていました。近年は観光行事としての色も加わり、毎年2月になまはげ柴灯(せど)まつりが開催され、炎の中での迫力あるなまはげの乱舞が披露されます。

秋田竿燈まつり

毎年8月3日から6日にかけて、秋田竿燈まつりが秋田市で開催されます。長さ最大12メートル、重さ約50キロ、提灯を多数つるした巨大な竿燈を、肩・額・腰などに差してバランスをとる妙技は圧巻です。

この祭りの起源は、昔から続くねぶり流しという風習にさかのぼり、夏の病気や邪気を流し去り、五穀豊穣と無病息災を願う行事として発展しました。1789年の記録にもその姿が記されており、長い歴史を誇ります。

横手のかまくら

横手のかまくら は横手市で行われる古くからの小正月行事で、約450年の歴史があります。雪で作られたドーム状のかまくらの中に水神様を祀り、炭火で温まりながら餅や甘酒をふるまう、雪国ならではの習俗です。

この行事は水の恵みと農作物の豊穣、水害の回避を祈る意味を持っており、厳しい冬を越える前の人々の願いや自然への畏敬が込められたものです。古くからの風習として受け継がれ、大人も子どももかまくらに火を灯し、集い、語り合う場になってきました。

西馬音内盆踊り

西馬音内盆踊りは、秋田県羽後町(旧・西馬音内)で行われる伝統的な盆踊りで、その歴史は約700年に及ぶと伝えられています。参加者は顔を覆う編み笠と彦三頭巾、伝統的な端縫いの衣装をまとい、静かに、しかし厳かなリズムで踊ります。盆の期間、祖霊を慰め、冥福を祈るための踊りとして地域に深く根づいてきました。

笛や太鼓の囃子にあわせて踊られる音頭・がんけの二種の踊りは、他の盆踊りにはない独特の雰囲気を醸し出してくれます。

土崎港曳山まつり

土崎港曳山まつりは、秋田市の港町・土崎港で毎年7月20日・21日に行われる伝統行事で、約20台あまりの豪華な山車(曳山)を引き回す、いわゆるケンカ祭りとして知られています。

山車は各町内会が力を注いで作り、勇壮な囃子とともに町を練り歩き、やがて神社に奉納されます。1997年に国の重要無形民俗文化財にも指定されました。

花輪ねぷた

花輪ばやし公式サイトより画像を引用

花輪ねぷたは、鹿角市花輪地区で毎年8月7日・8日に行われる七夕行事です。藩政時代末期から続くとされ、将棋の駒の形をした王将灯籠と巨大な大太鼓が行列をつくるのが最大の特徴です。高さ5メートルを超える王将灯籠には王将・七夕祭・天の川の文字と勇ましい武者絵が描かれ、夜になると内部の明かりで浮かび上がります。

行事の締めくくりには、米代川に架かる稲村橋に灯籠が並び、一斉に火を放って川に流すねむり流しが行われます。

六郷のカマクラ・竹うち

美郷町役場より画像を引用

美郷町六郷地区で行われる六郷のカマクラはクライマックスが竹うちと呼ばれる伝統行事です。旧羽州街道を境に町を南軍と北軍に分け、男衆が青竹を手に激しく打ち合います。バリバリと竹が割れる音と鳴り響く木貝の音、掛け声が冬の夜を揺らし、その勝敗によって「豊作になる」「米の値が上がる」といった占いが伝えられてきました。

同じ期間には、雪室の鳥追い小屋に鎌倉大明神を祀り、最後に正月飾りや願いを込めた天筆を焼く天筆焼きも行われます。

刈和野の大綱引き

大仙市より画像を引用

大仙市刈和野で行われる刈和野の大綱引きは、日本最大級ともいわれる大綱を使った伝統行事で、室町時代から続いていると伝えられています。綱は直径およそ80センチ、長さ約200メートル、重さは20トンに達すると言われています。

町を上町と下町に分けて引き合い、かつては勝った側が市場開設権を得たとされます。今では上町が勝てば米価高騰、下町が勝てば豊作と、その年の農の行方を占う行事として親しまれています。

犬っこまつり

湯沢市より画像を引用

湯沢市で行われる犬っこまつりは、およそ400年の歴史を持つ小正月行事です。会場や街なかには、雪で作られた小さなお堂っこと、そこを守る白い犬の雪像犬っこがずらりと並びます。

起源は江戸時代、湯沢の町を荒らした盗賊一味を討ち取ったあと、再び悪党が現れないようにと、人々が米の粉で作った小さな犬や鶴亀を家の入口や窓に供えて厄よけを祈ったことだと伝えられています。

現在は、雪像に灯りがともる幻想的な夜の風景の中で、厄除け祈願や安全祈願、屋台やイベントが行われ、地域の人々にとって冬の楽しみであり、家内安全を願う大切な節目となっています。

上桧木内の紙風船上げ

仙北市より画像を引用

仙北市西木町上桧木内で毎年2月10日に行われる上桧木内の紙風船上げは、100年以上続く冬の伝統行事です。武者絵や美人画、願いごとなどが描かれた巨大な紙風船に火をともしたランプを吊るし、熱気球の原理で真冬の夜空に一斉に打ち上げます。

漆黒の空にふわりと浮かび上がる紙風船は、雪原の静けさと相まって非常に幻想的な光景です。その起源については諸説ありますが、江戸時代に平賀源内が熱気球の仕組みを応用した遊びとして伝えた、という伝承も残っています。

現在は仙北市の無形民俗文化財に指定され、無病息災や豊作、家内安全の願いを託して紙風船を見上げる、地域にとって大切な冬の一夜となっています。

まとめ

秋田には、普段の生活で受け継がれてきた素朴な風習から、地域の歴史と信仰を映し出す大規模な伝統行事まで、多彩な文化が今も力強く残っています。がっこや甘い赤飯に象徴される食の習慣、ババヘラや雪囲いのような季節の風景、そしてなまはげや竿燈まつりに代表される祭りの数々は、どれも秋田の気候や土地柄の中で生まれ、長く育まれてきたものです。

こうした日常と行事の積み重ねこそ、秋田らしい暮らしの魅力であり、地域の人々の誇りでもあります。