秋田の冬は、静まり返った雪景色や温泉地の湯けむり、季節ならではの伝統行事など、心に残る風景がぎゅっと詰まった特別な時期です。寒さが厳しいぶん、空気が澄みわたり、街や自然の景観が一段と美しく見えるのも冬ならではの魅力。
観光地の混雑も比較的少なく、ゆったりと巡れるのも嬉しいポイントです。本記事では、冬の秋田を初めて訪れる方でもイメージしやすいよう、見どころ選びのポイントを解説していきます。
秋田の冬の観光スポットおすすめ10選
角館の武家屋敷の雪景色(仙北市)

小京都と呼ばれる角館は、冬になると雪の城下町に変わります。黒塀が続く武家屋敷通りに雪が積もり、枝垂れ桜の枝に雪の花が咲いたように見える光景は、冬ならではの見どころです。国の重要伝統的建造物群保存地区に指定された町並みで、歴史ある武家屋敷と雪景色を一度に楽しめるのも魅力のひとつ。
歩いて回れるコンパクトなエリアなので、ゆっくり散策しながら写真撮影を楽しみたい人に向いています。
乳頭温泉郷(仙北市)

乳頭山の山麓に点在する七つの宿からなる乳頭温泉郷は、冬こそ行きたい秘湯として全国の温泉ファンに知られています。茅葺き屋根の建物や木造の湯小屋が雪に包まれ、湯けむりが立ちのぼる風景は、まさに昔ながらの日本の原風景そのもの。
白濁した湯や透明な湯など泉質も多彩で、宿泊者限定の湯めぐりバスや湯めぐり手形を利用して複数の温泉を楽しむこともできます。静かな環境でのんびり過ごしたい人や、雪見露天風呂を体験したい人にぴったりのスポットです。冬季は道路状況やバスの運行情報を事前に確認し、時間に余裕を持って向かうのがおすすめです。
森吉山の樹氷(北秋田市)

森吉山は日本三大樹氷のひとつに数えられる樹氷の名所で、毎年1月上旬から3月上旬ごろにかけて、スキー場側からゴンドラで山頂付近へアクセスできます。標高約1,200メートル付近の樹氷平には、強い風と雪によって樹木が巨大な姿になった樹氷群が立ち並び、晴れた日には青空と純白のコントラストが圧巻です。
ゴンドラ山頂駅から樹氷エリアまでは歩いて数分で、スノーシューや長靴の無料レンタルも用意されているため、本格的な登山装備がなくても散策を楽しめるのがうれしいポイント。防寒対策をしっかり整え、足元に注意しながらゆっくり歩くと安心です。
田沢湖の冬景色(仙北市)

日本一の水深を誇る田沢湖は、冬でも全面結氷しないことが多く、澄んだ瑠璃色の湖面と、周囲の雪をかぶった山々が美しいスポットです。湖畔に立つ辰子像や、湖に突き出した鳥居・神社などは、雪に縁取られることで神秘的な雰囲気になります。
近くにはスキー場や温泉施設も点在しているため、雪遊びとあわせて立ち寄りやすいのも魅力です。レンタカーで周遊する場合は、湖を一周しながらビューポイントごとに車を停めて景色を楽しむスタイルが人気です。
横手のかまくら(横手市)

横手のかまくらは、約450年の歴史を持つ小正月行事で、毎年2月中旬に横手市内各所で開催されます。雪で作られた大きなかまくらの中には水神様が祀られ、地元の子どもたちが「はいってたんせ(かまくらに入ってください)」と声をかけながら、訪れた人に甘酒やお餅をふるまってくれます。
日中の素朴な雰囲気も魅力ですが、夕方から夜にかけて明かりが灯ると、大小さまざまなかまくらが雪の中にぽっと浮かび上がる幻想的な光景に。会場周辺にはミニかまくらが並ぶエリアもあり、写真撮影を楽しむ旅行者にも人気です。開催日程や会場は年によって変わるため、出かける前に公式サイトで最新情報を確認しておくと安心です。
大館アメッコ市(大館市)

大館市の公式サイトより画像を引用
大館アメッコ市は、「この日に飴を食べると風邪をひかない」という言い伝えが残る、小正月の伝統行事です。毎年2月第2土曜とその翌日に、大館市中心部のおおまちハチ公通りを歩行者天国にして開催され、通りには飴の木と呼ばれる枝に、カラフルな飴をびっしり飾りつけた木がずらりと並びます。
屋台では棒飴や細工飴など多彩な飴が売られ、通り一帯が甘い香りとにぎやかな声でいっぱいに。近年はフォトスポットとしても人気で、雪景色と飴の色彩のコントラストがとても映えます。開催日程や会場マップは毎年更新されるため、出かける前に大館市公式サイトや観光情報をチェックしてから向かうと安心です。
入道崎(男鹿市)

男鹿半島の西北端・入道埼は、北緯40度線上に位置する景勝地で、芝生の台地と断崖、その先に広がる日本海がつくる雄大な眺めで知られています。入道埼灯台は、国内でも珍しい登れる灯台のひとつで、シーズン中は上からのパノラマビューを楽しめます。
晴れた日には澄んだ空気の中で遠くまで見渡せ、夕方には沈む夕日が海と岬を赤く染め上げます。路面の凍結や強風などコンディションが変わりやすいエリアなので、最新の天気予報と防寒対策を確認してから訪れるのがおすすめです。
なまはげ館・男鹿真山伝承館(男鹿市)

男鹿といえば、ナマハゲを思い浮かべる人も多いはず。なまはげ館では、ユネスコ無形文化遺産・国の重要無形民俗文化財に指定されている男鹿のナマハゲについて、映像や展示を通してわかりやすく学ぶことができます。館内には地区ごとに異なる多種多様ななまはげ面や衣装が展示されており、その表情や造形の違いを見比べるのも楽しみのひとつです。
隣接する男鹿真山伝承館は、曲家と呼ばれる昔ながらの民家を利用した施設で、ここでは実際にナマハゲが家を訪れる様子を再現したなまはげ習俗学習講座を見学できます。冬の男鹿は雪道の運転に注意が必要ですが、屋内でじっくり文化体験ができるスポットなので、悪天候の日の観光にも心強い存在です。
阿仁スキー場(北秋田市)

森吉山の中腹に広がる阿仁スキー場は、初心者から中級者まで楽しめるコース構成と、穏やかな雰囲気が魅力のスキー場です。サンシャインコースやパラダイスコースなど、幅広で見通しの良いゲレンデが多く、ロング滑走をゆったり楽しみたい人やファミリー層にも向いています。
標高が高いため雪質がよく、天気が良い日には奥羽山脈の山並みや周囲の森吉山の樹氷を眺めながら滑れる贅沢な環境です。ゴンドラを利用すれば、スキーだけでなく樹氷観賞や雪上散策に出かける拠点としても活用できるのが大きなポイント。
公式サイトではコースの特徴やリフト・ゴンドラ料金、レンタル情報などが詳しく掲載されているので、滑走レベルに合わせて事前にコースをチェックしてから計画を立てるとスムーズです。
秋田市内の冬夜景(秋田市)

ときめくとうほくより画像を引用
秋田市の冬夜景を楽しむなら、JR秋田駅周辺からエリアなかいち・秋田キャッスルホテルへと続く中心市街地のイルミネーションは外せません。あきた光のファンタジーでは、駅前広場に光のトンネルが設置されたり、駅ビル壁面にプロジェクションマッピングが投影されたりと、歩くだけで気分が上がる仕掛けがたくさん用意されています。
さらに、エリアなかいちを会場とするなかいちウインターパークでは、イルミネーションに加えてクリスマスマーケットや新春まつりなど、冬ならではのイベントも多数開催されます。昼間は千秋公園で雪化粧した城跡エリアを散策し、夜は駅前からなかいちにかけての光の演出を楽しむと、コンパクトな範囲で秋田市の冬の表情を満喫できます。
冬の秋田を楽しむためのポイント

冬の気温・積雪の目安
冬の秋田は、気温が低い+雪が多いがセットになった気候です。秋田市の1月の平均気温はおよそ0℃前後で、日中の最高気温は3〜4℃、最低気温は氷点下まで下がります。2月も同じくらいの寒さが続き、沿岸部でもしっかり雪が積もるのが特徴です。
内陸の横手市や大館市などはさらに冷え込みが厳しく、積雪も多くなる傾向にあります。気象庁や観光情報のデータを見ると、冬季は降雪日が多く、地域によっては一時的に積雪が1〜2メートルに達することもあります。
旅行の時期によって状況は変わるので、出発前に秋田の天気予報と道路情報をチェックし、「今日はどのくらい冷えそうか」「雪は多そうか」を確認しておくと安心です。
服装と持ち物
冬の秋田観光では、東京の真冬より1〜2段階しっかりした防寒をイメージして服装を整えると失敗が少ないです。アウターは防風性のある厚手のダウンコートや中綿コートが安心で、その下にヒートテックなどの保温インナー、ニットやフリースを重ね着するスタイルがおすすめ。首元・手首・足首を冷やさないよう、マフラーやネックウォーマー、手袋、厚手の靴下もあると快適に過ごせます。
足元は、滑りにくいソールの防水ブーツがベスト。スニーカーや革靴だと、雪が染み込んだり、凍結路面で滑りやすくなったりするので注意が必要です。さらに、耳あてやニット帽、カイロ、リップクリームやハンドクリームもあると心強いアイテム。屋内は暖房が効いていて意外と暖かいので、脱ぎ着しやすい重ね着を意識すると、外でも室内でも快適に過ごせます。
冬の移動手段と注意点
冬の秋田では、移動手段ごとに注意したいポイントがあります。レンタカーを利用する場合は、必ずスタッドレスタイヤ装着車を指定しましょう。気温が0〜5℃前後まで下がる地域では、雪がなくても路面が凍結しやすく、夏タイヤでは制動距離が伸びて非常に危険です。雪道では急ブレーキ・急ハンドル・急発進を避け、車間距離を十分にとってゆっくり走るのが基本。
峠道や内陸部を走る場合は、最新の道路情報も確認しておきましょう。公共交通機関を利用する場合でも、強い雪や風の影響で列車・バスのダイヤが乱れることがあります。乗り継ぎ時間に余裕を持たせたり、代替ルートを事前にチェックしておくと安心です。また、歩行時は圧雪や凍結路で転びやすいため、靴底に滑り止めが付いた靴を選び、ペンギン歩きと呼ばれる小股で重心をやや前に置いた歩き方を意識すると、転倒リスクを減らせます。
まとめ
冬の秋田は、雪が生み出す景色や季節ならではの伝統行事、そして身体の芯まで温まる温泉など、この時期にしか味わえない魅力がたくさんあります。寒さは厳しいものの、そのぶん空気が澄みわたり、どの地域でも写真に残したくなるような美しい風景に出会えるのが大きな魅力です。
移動や服装のポイントを押さえておけば、初めて訪れる人でも安心して楽しめます。気になるスポットがあれば、ぜひ冬の旅先として検討してみてください。

