ケーキなどのお菓子に使われたり、子どもの好きな果物の1つであるイチゴは、1年中需要のある果物です。ですが、収穫時期が11月〜6月という期間であるため、収穫できない期間は国内のイチゴが流通しないという欠点があります。
その欠点を補うべく開発され、本格的な栽培が開始されたのが「秋田夏響」というイチゴです。どんなイチゴなのか、秋田夏響を食べるにはどうしたらいいのかを紹介します。
「秋田夏響」ってどんなイチゴ?
品種名は「夏のしずく」
実は、「秋田夏響」はブランド名であり品種の名前ではありません。品種名は「夏のしずく」といい、秋田県のような寒冷な気候で育てやすく、夏から秋にかけて収穫の時期を迎えるイチゴなのです。
業務用として活用していくことをメインに、農研機構東北農業研究センターと、秋田県をはじめとする東北地方の5県が共同で研究を行い開発されました。「みやざきなつはるか」と「06sAB-4e」を掛け合わせて誕生したのが「夏のしずく」です。
夏のしずくが生まれた背景には、国産のイチゴが採れない時期には、ケーキなどに使うイチゴを輸入頼りにしてしまっているという現状があります。輸入されたイチゴももちろん美味しいですが、菓子作りの現場からは新鮮であることや高い品質のイチゴが求められているのです。
2023年に実験栽培を経て2024年夏から本格的な栽培を行っています。秋田県のお菓子屋さんのケーキに使われているイチゴが秋田夏響になるのも、そう遠くないかもしれません。
通常のイチゴと違い、夏から秋にかけて収穫
秋田夏響の最大の特徴とも言えるのが、夏から秋にかけて収穫できる四季成り性であるということです。イチゴは通常、11月半ば〜6月頃にかけて収穫が可能です。逆に言えば、収穫できない期間である6月〜11月にかけては新鮮で大きなイチゴが出回ることがありません。
ですが秋田夏響は夏から収穫できるイチゴです。収穫時期は6月〜11月にかけてであるため、通常のイチゴの収穫時期とずれています。なので、組み合わせて育てることで1年中イチゴの収穫が可能になるのです。
収穫量も、秋田夏響の育成に適している寒冷な地域なら10aあたり3tの収穫量と多めなので、安定した流通が可能になります。
秋田夏響の栽培が本格的に始まったのはつい最近です。1年中、国産のイチゴが食べられるのもそう遠くない話になりそうです。
みずみずしく、甘酸っぱさが絶妙に調和している
秋田夏響は、糖度が15度に達することから非常に甘いイチゴとして知られていますが、甘さだけがその魅力ではありません。
生産者の方によると、秋田夏響の特徴はみずみずしく、甘酸っぱさが絶妙に調和していることだそうです。
そのため、夏にぴったりの爽やかなイチゴとして人気です。また、すっきりとした甘さはケーキなどのスイーツとの相性も抜群です。
収穫期の控えめな甘さと、完熟後の圧倒的な甘さ、そしてその中に感じられる甘酸っぱさという多彩な味わいが、秋田夏響の魅力をさらに引き立てています。
秋田夏響はどうしたら食べられる?
秋田県内のケーキ屋さんなど
秋田夏響は業務用での利用を目的に開発された品種です。そのため、秋田夏響を食べたいと思ったらケーキ屋さんなどの洋菓子店に行ってみるといいでしょう。
注目したいのは、イチゴをたっぷり使ったショートケーキです。秋田夏響が使われたものなら、ケーキの甘さと同時にイチゴの味を堪能できます。ですが、秋田夏響の収穫時期は6月〜11月です。そのため、いつでもケーキ屋さんに行けば秋田夏響を味わえるというわけではありません。収穫時期と流通時期を鑑みて、お店に行きましょう。そのときに、お店のスタッフに、ケーキに使用されているイチゴの品種を確認すれば確実です。
ショートケーキはもちろんですが、せっかくならイチゴがたっぷり乗っているデコレーションなら、より秋田夏響が堪能できますよ。
スーパーで販売されるかも!?
秋田夏響が本格的に流通する頃には、スーパーでの販売も行っているでしょう。イチゴがスーパーに並ぶのは12月頃からであることが多いですが、秋田夏響は6月から収穫されるイチゴです。そのため、販売が始まるとしたら7月頃でしょう。
ですが、イチゴは冬〜春にかけて販売されるのが定番で、秋田夏響のような夏イチゴには馴染みがあまりありません。実際、夏にスーパーにイチゴが並んでいるのは想像がつかないはずです。
まだ秋田夏響は本格的な栽培が始まったばかりです。今後の展開に期待しましょう。
確実に食べるなら通販!
栽培され始めたばかりの秋田夏響ですが、スーパーや洋菓子店で必ず扱っているというわけではありません。確実に手に入れるためには、通販で取り寄せがおすすめです。
通販なら、品種を指定して購入ができますし、まとまった数があるため味をしっかり堪能できます。インターネットで簡単に購入できるのも大きなメリットです。
イチゴが傷んでしまわないか心配という声もありますが、秋田夏響は輸送性が高く日持ちするという性質があるため、安心して取り寄せて食べられるのです。秋田県外に住んでいても、簡単に美味しい秋田夏響が楽しめます。
まとめ
現在流通しているイチゴの欠点をカバーしつつ、安定的な収穫量が見込めるだけではなく、美味しさも素晴らしいのが秋田夏響の魅力です。
栽培が始まったばかりなので認知度はまだまだ低いですが、今後、夏イチゴとしての広がりに期待が高まります。