笹巻きとは?ちまきとの違い・美味しい食べ方・作り方など【秋田県】

秋田県には様々な郷土料理がありますが、その中でも知られている料理が「笹巻き」です。

笹巻きは一見すると「ちまき」と似ているので、もしかすると勘違いをしている方もいるかもしれません。

こちらの記事では、笹巻きについての基本的な情報から自宅で作る方法まで詳しく解説していきますので、ぜひご覧ください。

この記事で分かること

・笹巻きの基本的な情報

・笹巻きの美味しい食べ方

・笹巻きの作り方

詩の国むすび

笹巻きとは?

笹巻きってどんな食べ物?

笹巻きはもち米を笹の葉で巻き、イ草で結んだ後に蒸し上げて作られる郷土料理です。
特に秋田をはじめとした地域では、笹で巻くことが一般的であり、地域によっては竹の皮で巻かれることもあります。

笹巻きの特徴は、その保存性の高さです。
笹の葉には抗菌性や防腐性があるため、保存食として使われることが多く、また、イベントや祭事の際にも重宝されてきました。

笹巻きに関する行事は?

笹巻きは、かつては端午の節句や、田植えを終えた後のさなぶり(田植えを終えた祝い)という行事で作られることが多く、秋田県で特別な行事食として位置づけられていました。

田植えが女性たちの手仕事だった時代に、さなぶり休みと言って、娘たちが実家に里帰りする慣わしがあり、嫁家からの手土産として笹巻きを持たせる習慣があったそうです。

笹巻きとちまきの違いは?

作り方が違う

笹巻きとちまきの起源には共通の歴史があるにも関わらず、日本国内での呼び方や作り方に違いがあります。

笹巻きは、その名の通り笹の葉でもち米を包み、結びひもをかけて熱湯でゆで上げた食べ物のことを言います。笹の葉には防腐性や抗菌性があり、昔から保存食や携帯食の包装材料として重宝されてきました。

対して、ちまきは各地で異なる植物の葉(例えば竹の葉や棕櫚の葉)を用いることもあり、地域によってその名称や製法は57種類にも及ぶ幅広さを持ちます。

ちまきの起源は古い

ちまきの起源をたどると、中国の昔の時代にまで遡ります。紀元前288年、屈原の霊を弔うために笹の葉で包んだ米の飯が川に投げ入れられたという故事があったとされています。

日本における記録では、平安時代に編纂された「倭名類聚鈔」や「和名知萬木」に、もち米を植物の葉で包み、灰汁で煮込む行事の記述があるようです。それは、陰暦の5月5日に行われる行事として、現在では多くの地域で行事食として食べられています。

笹巻きの美味しい食べ方は?

きなこに砂糖をかけて食べる

笹巻きの笹の葉をほどいて、そのまま口に運ぶ食べ方が一般的でシンプルな食べ方です。

しかし、シンプルな食べ方に飽きてしまった人におすすめな食べ方があります。それは、きなこに砂糖をかけて食べるスタイルです。

きなこの風味と砂糖の甘さがもち米の優しい味わいを引き立て、笹の香りを感じさせてくれます。

さらに塩を加える

地域によっては、更に塩を加えることで甘じょっぱい味わいにすることがあります。このほんのりとした塩味が、きなこと砂糖の甘さを引き締め、より一層深い味わいを楽しむことができます。

黒蜜をかけると和菓子のように

また、砂糖の代わりに黒蜜を使い、きなこと合わせることで、和菓子のような味わいを楽しむこともできます。黒蜜の濃厚な甘さときなこの風味が独特の美味しさを生み出してくれます。

笹巻きの作り方は?

笹巻きを作る下準備

3〜4個分の笹巻きを作るには、もち米150gと、笹の葉15枚程度が必要になります。

笹の葉は、事前に洗って水気をよく拭き、先端と茎の部分を切り落としておきます。もち米はよく洗い、ザルにあげてから15分程度水切りをします。

また下準備の際には、イ草と食用重曹も準備しておきましょう。イ草は包んだ笹を巻く際に使用し、食用重曹は茹で上げの時に使用します。

笹の葉で包む作業

笹の葉でもち米を包む作業は、笹巻き作りの中でも特に重要な部分です。

まず、笹の根元を右にして、葉の表面が見えるようにします。そこから葉をくるりと巻き、三角の筒形を作ります。このとき、先端がしっかり閉じていることを確認し、もち米が下からこぼれないように注意が必要です。

次に、もち米を40g前後、筒の中に入れます。米を入れた後は、笹の葉を手前に折り、反対側からフタをするように折り返し、形を整えます。

この作業で、もち米が包みきれなかった場合は、さらに笹の葉を重ねて調整しても大丈夫です。

茹で上げと仕上げ

笹を巻いて包んだら、次は茹で上げと仕上げの作業に移ります。

水をたっぷりと張ったボウルに、作った笹巻きを入れて2時間ほど水に浸します。その後、沸騰したお湯に少量の食用重曹を加え、笹巻きを入れて30分間煮ます。

沸騰したお湯に入れることで、もち米の粘りが増し、笹の持つ香りが米に染みわたるようになります。
茹で上がった笹巻きは、冷水を使って冷ましましょう。冷ました後は、笹巻きをタオルなどで優しく包み、余計な水分を取り除きます。

水分を取り除く際に、笹巻きの形を崩さないよう注意しながら整えていきましょう。

完成した笹巻きは、そのまま食べても美味しいですし、少し冷やすと違った食感が楽しめますよ。

笹巻きはどこで買える?

大型スーパーや5月のシーズンで

スーパーマーケットでは多数の商品が並んでいるので、特に大型のスーパーマーケットや5月のシーズン時期には笹巻きが置いてある可能性があります。

ただし、シーズン外でスーパーマーケットに並ぶことはあまりないので、どうしても欲しい方は、オンラインショップで購入する方法がおすすめです。

コンビニでは見かけない

笹巻きがコンビニで販売されているのを見かけたことがありませんので、あまり期待をしないほうが良いでしょう。

5月のシーズン時期には店頭販売している可能性もありますが、どうしても購入したい方はスーパーマーケットを覗いてみるほうが購入できる可能性が高いです。

オンラインストアが一番確実

冷凍品であれば、オンラインストアで笹巻きは年中販売されています。近くのスーパーマーケットで購入できなかったり、探すのが面倒な人はオンラインストアで購入する方法が一番おすすめです。

ただし、購入金額は送料も含まれることが多いので、少し割高になるかもしれませんが、確実に購入できます。

まとめ

5月が旬の笹巻きは、秋田県の魅力的な郷土料理です。

笹巻きと似た料理にちまきがありますが、使用する材料や調理法により、その風味や食感には違いがあります。

美味しい食べ方としては、そのまま食べるのはもちろん、きなこや砂糖をかけて食べても美味しいですよ。

笹巻きを食べてみたいと思った人は、近くのスーパーマーケットやオンラインストアを覗いてみてはいかがでしょうか?