秋田県はお米が美味しいことで有名です。その理由は、白神山地から流れる水が綺麗なことと、昼夜で寒暖差が激しく、お米の甘みを引き出すのにぴったりな気候であることが挙げられます。そんな秋田県では、様々な品種のお米が生産されています。
秋田県で生産されているお米のなかでも、おすすめの品種を10種紹介します。
秋田県のおすすめのお米の品種10選
あきたこまち
秋田県の米といえば、「あきたこまち」を想像する人がほとんどなのではないでしょうか。あきたこまちは、秋田県のような寒冷な気候でも、おいしいお米が栽培できることをコンセプトに開発されたコシヒカリタイプの品種です。
奥羽292号とコシヒカリを掛け合わせて誕生しました。秋田県出身であると伝えられている、世界3大美女の1人の小野小町にちなんだ名前であり、秋田美人のような美しさを持つお米で、つやつやの透明感があります。
見た目だけではなく、食味ランキングのトップである特Aランクを何度も受賞しているほど安定した品質を誇ります。炊きたてはもちろん、冷めてもおいしいほどの安定した品質で、お弁当やおにぎりなどにも向いています。他にも、ご飯が定番の和食にもおすすめです。
1984年にデビューしてからというもの、全国トップクラスの人気を誇っています。現在では、秋田米の主力品種にもなっています。
めんこいな
飲食店など業務用に合う味や、安定的な収穫ができる品種として開発されたのが「めんこいな」です。実際、めんこいなは秋田県の主力であるあきたこまちよりも収穫量が1割ほど多くなっています。
お米の1粒1粒が大きくて丸い形をしており、粘りが少ないためあっさりとした味をしています。ブレンド特性もよく、他のお米と混ぜても美味しく食べることができます。冷めても硬くなりにくいだけではなく、長時間保温しても味が落ちることがありません。そんな特徴を生かし、外食産業や加工用で多く利用されています。
サキホコレ
中部132号とつぶぞろいを掛け合わせ、約12万株の中から最後に選ばれた品種が「サキホコレ」です。味が良いのはもちろんですが、外観・香り・食感のバランスにも優れており、遥か昔の、米作りが始まったとされる弥生時代から受け継がれている、日本人のDNAに響くようなおいしさを持っています。
サキホコレは、あきたこまちと比べると晩生種とされています。出穂期で6日、成熟期で9日遅くなり、いもち病に強かったり、気温の変化による品質の低下も少ないです。収穫量はあきたこまちと同じくらいで、どんどんファンを増やしています。
サキホコレのお米の一粒一粒に、秋田の地力が詰まっています。秋田県で作られるお米の中でも、1度は食べてみたい品種です。
秋のきらめき
秋田県で生産されるお米の中でも、早めの成熟期であり、寒さにも強いお米が「秋のきらめき」です。東北地方にある秋田県はもともと涼しい地域ですが、さらに気温の低い中山間地域や高冷地域でもおいしいお米を安定的に生産できる品種です。現在では、鹿角地域や仙北地域がメインで作られています
秋のきらめきは、いわてっこと秋系483を掛け合わせて生まれました。一粒一粒にツヤがあり、控えめな粘りとしっかりとした食感が特徴です。味はあきたこまちと同等で、秋のきらめきを好む人も多くいます。
ひとめぼれ
「ひとめぼれ」という品種は、誰もが1度は聞いたことがあるのではないでしょうか。国内で多く生産されているコシヒカリと初星を掛け合わせて誕生した品種です。あきたこまちよりも成熟期が遅く、秋田県内でも暖かい沿岸地域で作られています。現在では、過去にササニシキが作られていた本荘由利地域をメインに生産されています。
ササニシキよりも味に優れており、冷めても美味しく食べられるのが特徴です。そのため、お弁当やおにぎりでも味を損なうことがありません。ほどほどにある粘りと弾力のある粒、上品な甘みにより、様々な料理に合うお米です。ひとめぼれの旨味をより味わうには、シンプルに塩おにぎりで食べるのがおすすめです。
淡雪こまち
成熟期が早く、低アミロースである米として開発されたのが「淡雪こまち」です。寒さに強いため、内陸北部にある鹿角地域のような中山間地でも栽培が可能です。
低アミロース米とは、お米に含まれているアミロースの含有率が約7~12%であるお米のことです。アミロース含有率が低くなるほど粘りが強くなり、食べ応えがあったり冷めても美味しいというメリットがあります。淡雪こまちも、しっかりした粘りがあり、冷めたり温めたりしたものでも美味しく食べられます。
奥羽343号とでわひかりを掛け合わせて作られた品種で、茶碗半分でも満腹感が得られるほどの食べ応えがあります。玄米食の入門としてもおすすめです。
つぶぞろい
お米を収穫する時期はどの品種もだいたい同じですが、分散させて安定した供給ができるようになることを目的として、めんこいなとちゅらひかりを掛け合わせて作られた品種が「つぶぞろい」です。
秋田県が初めて育てた成熟期が遅い品種です。そのため、栽培できるのは温暖な平坦部に限られてしまいますが、稲が育つ期間に夏の高温でも影響を受けにくいため、かなり暑い夏の近年でも高品質米を安定して生産できます。
あきたこまちよりも一粒一粒が大きく、粘り・味・香りのバランスが良いのが特徴です。炊き上がりも均一ですっきりとした味わいをしており、様々なニーズに応えられるお米です。土鍋で自分好みにお米を炊きたいという人におすすめできる品種です。
ゆめおばこ
ただ炊いたご飯を食べるだけではなく、お米のニーズは様々な形になってきています。そんな多様なニーズに応えられるよう、良い味と収穫量の多さを目的に、岩南8号と秋田58号を掛け合わせて誕生した品種が「ゆめおばこ」です。
秋田県の主力であるあきたこまちとは違い、しっとり柔らかい食感です。一般的に、お米はタンパク質の含有率が低いほどふっくら美味しい味をしていますが、ゆめおばこもタンパク質の含有率が低く、炊き上がりがふっくらしています。
冷めても硬くなりにくい、炊き上がりの粒立ちが美しいことから、一般家庭で食べるだけではなく、外食・中食用など様々な用途で使われています。秋田県で食べるなら、海の幸やお刺身、焼き魚と一緒に食べるのがおすすめです。
ササニシキ
かつてコシヒカリと共に多く栽培されてきた品種であるササニシキは、収穫量が年々減少してきているものの、現在でも熱烈なファンが多くいるほど良質な味を持つ品種です。
コシヒカリよりも粘りが少なくあっさりとした食感を持ち、冷めても味の変化が少ないことが特徴です。そのため、寿司米に適しており、現在でもこだわりを持つ高級寿司店で多く使用されています。ただ、病気や寒さに弱いため、安定した収穫量をキープするのがとても難しいです。過去にも冷害があり、被害が大きかったことから、流通量がどんどん減ってきています。
ですが、コアなファンが多くおり、自然栽培やオーガニックでの米作りを行っているという人にはとても好まれている品種です。秋田県を含む東北地方で作られていることが多いです。
金のいぶき
健康等のために玄米を取り入れているのなら、「金のいぶき」はいかがでしょうか。秋田県内でも多く生産されているお米で、他の玄米よりも栄養素が豊富に含まれているのです。
殿原前にもある胚芽という部分には、GABAやビタミンEなどが含まれていますが、金のいぶきは、胚芽の部分が通常の玄米よりも3倍もの大きさがあります。その分、栄養素もより多く含まれていて、より健康的な生活を叶えることができます。
また、アミロースの含有率が低いため、一粒一粒が柔らかく粘り気があります。もちもちしているのはもちろんですが、玄米ならではの噛んだときのプチプチした食感も楽しめます。
玄米が敬遠されてしまう理由の1つに、白米よりも炊飯の手間がかかることがあります。ですが金のいぶきは、白米と同じように炊けるため気軽に玄米が食べられるのです。より生活に玄米を取り入れやすくなります。
まとめ
日本人の食生活に米は欠かせません。食べるのなら、自分好みの美味しいお米を食べたいものです。秋田県で生産されている様々なお米には、それぞれに特徴があるので好きなものを選べます。
お米はスーパーだけではなく通販などで気軽に購入可能です。秋田県内でも、ふるさと納税の返礼品に秋田米を指定している自治体もあります。是非秋田米を食事で食べてみてはいかがでしょうか。