秋田県のおすすめ温泉17選!それぞれの特徴・歴史・効果なども解説【2024年】

入浴は毎日する人がほとんどです。体を綺麗にするのはもちろんですが、温かいお湯に浸かって1日の疲れを癒すことを目的に入浴している人も多くいます。

お湯に浸かることを楽しむなら、温泉が1番です。温泉はそれぞれ性質が異なり、入浴することで得られる効果も違ってきます。実は秋田県には、泉質の異なる温泉が多くあり、温泉巡りにうってつけの場所でもあるのです。日帰り入浴ができる宿も多く、とことん温泉を楽しめます。

そんな秋田県のおすすめ温泉をピックアップしました。

秋田県のおすすめ温泉17選

男鹿温泉

なまはげ行事で有名な男鹿半島にある唯一の温泉郷が男鹿温泉です。平安時代を生きた坂上田村麻呂が東征のときに発見したとされる湯本温泉・石山温泉を中心に、1000年以上もの歴史を持っています。江戸時代から栄えるようになり、秋田藩主の佐竹氏、民俗学の祖と言われている旅行家の菅江真澄も入浴したそうです。

湯量はしっかりあり、男鹿温泉郷の宿の半数以上が自家源泉を持っています。温泉は、海水の成分に似ている食塩を含み、入浴することで、肌についた食塩が汗の蒸発を防ぐ効果があります。それにより保湿効果が高く、「熱の湯」とも言われているのです。

なまはげ巡りにぴったりの真山神社などを観光するとき、男鹿温泉郷を拠点にして回ると便利です。観光を終えて帰ってきた夜には、きりたんぽ鍋やしょっつる鍋などの郷土料理を楽しむことができ、全身で男鹿半島を満喫できます。

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湯瀬温泉

豊かな湯量を持つ湯瀬温泉は、大量のお湯が川の瀬から溢れ出ていることから名付けられた温泉です。お湯は無色透明、肌に馴染みやすい肌触りは化粧水のようで、ニキビや肌荒れに効果があります。そんな美肌効果を持つ湯瀬温泉は、群馬県の川湯温泉、和歌山県の竜神温泉と並んで美人の湯と言われています。入浴の回数を重ねるうちに、肌の潤いとみずみずしさが増してきます。

新秋田三十景の1つになっている湯瀬渓谷は、湯瀬温泉の中心を流れている景勝地です。春には山桜、初夏には新緑、秋には紅葉、冬には雪景色と四季の変化に合わせて変わる表情は美しく、明治時代の歌人である石川啄木は、「青垣山をめぐらせる天さかる鹿角の国」という歌を残しました。

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秋の宮温泉郷

奈良時代の僧である行基によって発見されたと伝えられる、秋田県内で最古の温泉郷と言われているのが秋の宮温泉郷です。時は流れ、江戸時代になると秋の宮温泉郷に最初の温泉宿ができました。時が流れていくにつれて源泉がどんどん発見されていき、各家庭にも温泉が引かれ始めるようになったのです。現在、40ヶ所以上の源泉が見つかっており、地域の住居の多くが温泉を引いています。

秋の宮温泉郷には現在約10軒の温泉宿があり、泉質で温泉宿を選ぶことができます。百人一首でも有名な平安時代の歌人である小野小町の故郷であることや、武者小路実篤のような文人にも愛されたとされている自然あふれる景観があるのも魅力です。

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秋田温泉

秋田美人という言葉は、色白で綺麗な肌を持つ女性が秋田県に多いことから生まれました。県庁所在地でもある秋田市に湧き出ているのが秋田温泉です。温度は約41.7℃、入浴すると、肌がつるつるになるという「美人の湯」として有名です。秋田市郊外にある宿では、日帰り入浴をすることができるため、温泉だけ楽しむことも可能です。

肌がきれいになるだけではなく、体を温める効果もあるため、多くの秋田市民が週末に訪れ、とても賑わっています。

十和田大湯温泉

米代川支流の大湯川に沿って湯が湧き出ているのが十和田大湯温泉です。上流から、上の湯・下の湯・川原の湯の3つにわかれており、源泉はなんと約50カ所にも及びます。そんな豊富な湯は、温泉街のホテルや旅館、共同浴場にたっぷりと供給されています。

なんと800年以上もの歴史を持つ温泉であり、静かな名湯として多くの観光客から親しまれています。特に共同浴場は、田舎らしい風情を残しており、現在も地元の人たちが暮らしの中の1つとして通っています。中には、タオルを片手に共同浴場をはしごする人も見られ、ゆったりと温泉巡りができます。

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能代温泉

天然のブナ林で有名な白神山地の近くにあるのが能代温泉です。能代温泉には、血行促進や美肌効果があります。冷え性の悩みを持っている人や、美肌になりたい女性におすすめの温泉です。岩盤浴もでき、地元の人からも人気があります。

白神山地の近くにあることから、素晴らしい眺めを楽しめるのはもちろん、緑が豊かな森林地帯で森林浴も可能な地域です。中でも、日本海に沿って植えられている約700万本の松が、約14kmもの距離で植林されている光景は圧巻で、白砂青松百選をはじめとする5つの「百選」に選定されています。温泉と自然の両方に癒されることができます。

玉川温泉

火山が育んだ温泉として親しまれている玉川温泉は、強酸性の湯であることで有名です。温度は約98℃、毎分約9000Lにもなる温泉湧出量は、なんと1カ所から出ている量です。温泉水のpHは1.2となっており、この数字は日本でもトップクラスのものなのです。pH1.05~1.3という数字は、胃液よりも強い酸性であることを示しており、お湯につかると、肌がピリピリします。体を洗うための石鹸を泡立てようとしても、泡が立ちません。

お湯はラジウムを大量に含んでおり、ガンや皮膚病など、様々な病気に効くと言われています。昔はもちろんですが、今でも療養のために玉川温泉に訪れる人が多くいるのです。

多くの湯が湧き出る姿はとても激しく、見るだけでパワーがもらえます。

>>玉川温泉

田沢湖高原温泉郷

秋田県の高原リゾートの温泉地の1つであるのが田沢湖高原温泉郷です。お湯は硫黄泉で、透き通っていてぬめりがあります。体も温まるので、寒い冬にお湯に入ると日ごろの寒さから解放されます。

様々な湯船で楽しむことができるようになっており、天然の岩を使用した岩風呂、檜でできている露天風呂、田沢湖を見ながら温泉を味わうことができる絶景風呂など、自分の好みに合わせて選べる源泉かけ流しの温泉です。

また、温泉だけではなく、田沢湖高原の一部であるため、高原レジャーを楽しむための拠点とすることもできます。春や秋など、過ごしやすい時期にはハイキングをしたり、夏は涼しい気候を楽しんだり、冬には、スキーやスノーボードなどのスノーレジャーなど、1年を通して楽しめます。

>>田沢湖高原温泉郷

白神展望温泉

白神展望温泉は、ホテル サンルーラル大潟の中にある温泉です。ホテルの最上階に位置しており、ゆったりと湯船に浸かりながら、景色を楽しむことができるようになっています。宿泊者は無料なので、観光客が旅の疲れを癒すのにぴったりです。また、日帰り入浴もできるため、地元の人からも人気です。

お湯は、琥珀色の植物性モール温泉です。化粧水に似た成分がお湯に含まれているため、まろやかな湯ざわりであり、十分な保湿効果があります。そのため、美肌の湯と呼ばれています。

モール温泉とは、地中に堆積した植物からできた温泉です。白神展望温泉の場合は、500万年前の海水からできているのです。はるか昔から現在まで繋がれている歴史を感じられます。

湯船は週替わりで男湯と女湯が入れ替わります。滞在する時期によって見える景色が変わるのもポイントです。

西木温泉

「麗女(びじん)の湯」という説明を持つのが西木温泉です。pH9.4のアルカリ性のお湯は、無色透明です。肌に潤いを与える効果があるため、保湿力が高いことから「麗女(びじん)の湯」という名前がつけられました。

アルカリ性の単純温泉であるため、温泉のお湯を飲むことができます。湯冷めもしにくいので、お湯から出た後も体がポカポカし、ゆったりした気持ちになります。冷え性の人にぴったりです。

気泡浴や圧力浴、サウナや打たせ湯などがあり、温泉を心ゆくまで楽しむことができます。近くの診療所には温泉アドバイザーがいるので、何かわからないことがあればすぐ質問ができます。

ふけの湯温泉

十和田八幡平国立公園内にある一軒宿の中にある温泉が、ふけの湯温泉です。標高は1,100mと高く、自然あふれる中で単純泉や弱酸性泉など3つの源泉を楽しむことができます。

お風呂は、男女別の内風呂、露天風呂はもちろんですが、温泉の蒸気が立ち上っている部分に点在する野天風呂や枡風呂など、様々なスタイルでの入浴が可能です。

日帰り入浴を楽しむこともできますが、宿泊すると宿で作られる「蒸ノ湯式薬膳」などの料理を食べられます。地元食材をふんだんに使っており、温泉と食事を合わせてトータルで秋田県を実感できます。宿を起点とし、長沼や八幡平山頂までを歩くトレッキングコースもあるので、体を動かすのが好きな人にもおすすめです。

>>ふけの湯温泉

後生掛温泉

幅広い効能を持つ後生掛温泉は、灰色で白く濁ったお湯である単純硫黄泉です。地下1,000mから湧き出ている硫黄泉は、胃腸病、神経痛、腰痛症、膝関節炎、喘息、婦人病、心身症、冷え性など、多くの疾患に効果が期待できるため、どんな人にもおすすめです。昔から、「馬できて足駄で帰る後生掛」と言われているほど効果が高いことで有名です。昔も体の不調を治すために訪れる人が多くいましたが、現在も多くの人が後生掛温泉での湯治を目的に訪れています。

そんなたくさんの効能を持つ後生掛温泉は、泥風呂・韓国風のオンドル・打たせ湯・箱蒸し風呂などの7つのスタイルの中から好きなものを選んで温泉を楽しむことができます。自分の好みの温泉に入れるだけではなく、調子の悪いところも治す効果もあり、よりいっそう温泉が楽しめます。

鶴ノ湯温泉

鶴ノ湯温泉は、乳頭温泉郷の中でも古い歴史を持つ温泉です。江戸時代に、鶴が体についた傷を温泉のお湯で癒している姿が発見され、そこから「鶴ノ湯温泉」という名前がつけられました。

そんな鶴ノ湯温泉は、泉質の違う4つの源泉から成り立っています。源泉にはそれぞれ、白湯・黒湯・中の湯・滝の湯と名前がつけられています。中でも鶴ノ湯温泉を代表する白湯は、「美人の湯」と言われる混浴露天風呂です。この白湯は、現在の秘湯ブームの火付け役になったとも言われています。

>>鶴ノ湯温泉

三内峡温泉

「健康増進交流センター ユフォーレ」は、プールやトレーニングルームで運動をしたり、キャンプやバーベキューもできる施設です。そんな施設内にある温泉が三内峡温泉です。

三内峡温泉の泉質はカルシウム・ナトリウム硫酸塩泉で、湯ざわりはまろやか。アルカリ性なので美肌効果があります。それだけではなく鎮静効果もあり、動脈硬化・神経痛・胃腸の不調などに効果があります。もし温泉療養をしたいという場合は、専門スタッフが勤務しているので相談してみるといいでしょう。

温泉だけではなく岩盤浴もできて心も体もリフレッシュできるほか、自炊棟を利用すれば連泊も可能です。運動×温泉で、健康な体を目指せます。

乳頭温泉郷

季節によって見せる顔を変えるブナ林にただずんでいる温泉地が乳頭温泉郷です。鶴の湯をはじめとする乳頭温泉郷には泉質の違う7つの温泉が点在しており、例えば妙乃湯はカルシウム・マグネシウム硫酸塩泉、蟹場温泉は重曹炭酸水素泉で糖尿病にいいとされています。孫六温泉はラジウム泉で皮膚病や胃腸病に効果があると言われています。

乳頭温泉郷にある近代的な建物は「休暇村乳頭温泉郷」のみで、他にある宿はいかにも秘湯のムードを漂わせています。その中で気に入った宿に宿泊し、7つの湯の温泉巡りをしたり、食事を楽しむのがいいでしょう。

>>乳頭温泉郷

新玉川温泉

八幡平温泉郷の1つである新玉川温泉は、玉川温泉と同じ源泉からお湯が引かれている温泉地です。パワースポットとしても知られており、自然の力を使った天然の岩盤浴が楽しめます。新玉川温泉の岩盤浴には、新陳代謝の促進・鎮痛効果があり、全国から人が集まるほど人気があります。

新玉川温泉の泉質は強酸性泉です。高血圧・動脈硬化症・婦人病・神経痛・皮膚病・喘息などに効果があり、飲泉も可能です。胃腸の病気に効果がありますが、温泉の酸性度が高いため歯が溶けてしまう可能性があるので、真水で薄めたり飲んだ後に口をゆすぐという条件があります。酸性度の高さはレモンやグレープフルーツを上回るため、かなりのすっぱさを感じます。

小安峡温泉

秋田県の玄関口である湯沢市にある温泉地が小安峡温泉です。冬でも湯冷めしにくい温泉は、豊富な湯量を誇る単純温泉です。

四季の移ろいで変化する自然の彩りが美しく、趣のある宿が点在しています。どの宿も風呂自慢であり、日帰り入浴だけではなく宿泊してじっくりと楽しむこともできます。

近くには不動滝があり、豪快に流れ落ちる様には自然のパワーが感じられます。とことん山ではアウトドアを楽しめたり、秋には紅葉が見頃を迎えたりと、観光地としての魅力も満載です。

まとめ

秋田県の温泉は湯治効果の高いものが多く、自分の体の不調に合っている温泉を選べるのが魅力です。また、泉質の異なる源泉が点在しているようなところでは、湯めぐりをして違いを楽しむことも可能です。

文化や伝統などの魅力だけではなく、温泉地としての顔を持つ秋田県に、ぜひ旅行してみてはいかがでしょうか。