炭酸入りの飲み物を好んで飲んでいる人は多いのではないでしょうか。昔からある甘いサイダーはもちろん、メロンソーダやレモンソーダなど、さまざまな味があり、生活に馴染んでいます。
そんなサイダーですが、地域の名産品としてのサイダーがあるのをご存知でしょうか。それが、秋田県のニテコサイダーです。秋田県内はもちろんですが、全国からも人気を集めているサイダーです。
どんなサイダーなのか見ていきましょう。
ニテコサイダーって?
水にこだわった飲みやすいサイダー
ニテコサイダーは、秋田県の名産品でもあるサイダーです。名産品ということもあり、ただのサイダーではありません。ニテコサイダーは、秋田の水にこだわったサイダーなのです。
秋田県の中でも、美郷町六郷地区には60以上もの湧水があります。六郷地区の清水は、絶滅危惧種に指定されているハリザッコが生息できるほどの水質をずっとキープしているのです。この水がニテコサイダーに使われています。
自慢なのは水のおいしさだけではありません。水本来のおいしさを引き出すための柔らかい甘みと、子供でも、美味しく飲めるまろやかな炭酸に仕上がっています。味は創業以来ずっと変わっておらず、100年以上前の人々も同じ味を楽しんでいました。伝統の味のサイダーは、現在も変わらず販売されています。
ちなみに、ニテコサイダーの「ニテコ」とは、アイヌ語で森林を意味する「ニタイ」と水たまりという意味の「コツ」が合わさって生まれた「ニタイコツ」が変化したものと言われています。
レトロなパッケージがおしゃれ
注目したいのは味だけではありません。おしゃれなお土産を持っていきたいときに、ぴったりなパッケージもポイントです。
ニテコサイダーのパッケージは、サイダーを手にした女の子がプリントされたものです。女の子は、現在の若い女の子ではなく、創業当時に多くいた女の子の姿なので、サイダーの味と同時に、ニテコサイダーが歩んできた歴史が感じられます。
印字されたニテコサイダーの文字もレトロなフォントなので、まるで明治時代に販売されていたものをそのまま買ってきたかのような気分になれます。
味だけではなく、SNS映えしそうなパッケージならよりもらって嬉しいお土産になること間違いなしです。
色々な味のニテコサイダーも!
ニテコサイダーは、美しい清水の味を最大限に引き出した甘みと炭酸のサイダーです。実は、通常の味だけではなく、様々な味のニテコサイダーが販売されているのです。味は、りんご・はちみつ・巨峰・炭酸水の4種類です。
りんご味は、りんごの甘酸っぱさと炭酸が重なり、フルーティーな味に仕上がっています。はちみつ味は、国産の上質のはちみつを使っており、柔らかい甘みを味わえる上品なサイダーです。
巨峰味に使用している巨峰は、ニテコサイダーの会社がある秋田県美郷町の友好都市である長野県東御市産のものを使用しています。長野県東御市は、標高が高いところにあるため、太陽の光をたっぷり浴びて育った甘い巨峰ができます。そんな巨峰の甘みと爽やかなサイダーが合わさり、すっきりして何杯でも飲めるようなサイダーになりました。
ニテコサイダーには、愛飲している人が多い炭酸水もあります。通常の炭酸水のように無味ではなく、レモンフレーバーが加わったことで、口当たりの良い炭酸水となっています。
それぞれの味のパッケージは、女の子が林檎や巨峰を手にしていたり、色が違ったりとわかりやすくなっています。ボトルを全部揃えて並べてみるのも楽しいです。
ニテコサイダーの歴史
誕生は明治35年
ニテコ清水は、昔から質のいい水として知られており、名水と呼ばれていました。その質の良さから明治天皇にも献上されたことがあり、御前水とも言われた歴史があります。
そんな名水を利用して、明治35年に生まれたサイダーが「ニテコサイダー」です。当時は「ニテコシトロン」という名前でした。
この時代には地サイダーというものがなく、ニテコサイダーが発売されると、地サイダーの先駆けともいえる存在になりました。
一緒に歴史を歩んできたサイダー工場
1902年の創業当時、ニテコサイダーの工場は秋田県南初のサイダー工場として操業を始めました。現在はニテコ清水と同じ水脈の地下水を使用してサイダーを作っていますが、当時は、ニテコ清水の湧水をポンプアップして製造していました。製造方法の変化にも歴史を感じられます。また、手押し足踏み機器の使用も記録に残っています。
現在は多くの人がサイダー作りに関わっていますが、創業当時は10人前後の従業員で製造していたようです。人数が変化したということは、それだけサイダーの人気が広がっていったということにつながります。
工場の景観も、昔と現在では大きく異なります。昔は、酒蔵のような工場で製造していました。およそ100年稼働していましたが、役目を終えました。
現在では、「手づくり工房 湧子ちゃん」という当時の雰囲気を持つ建物が、旧工場の裏に作られました。ここで現在サイダーの製造を行っており、製造現場と販売を兼ね備えた施設であるだけではなく、昔の工場の姿をいつでも見ることができるようになっています。
ニテコサイダーはどこで買える?
秋田県内のスーパー
ニテコサイダーはどこで購入できるのでしょうか。まず挙げられるのは、秋田県内のスーパーです。
他のジュースと同じようにニテコサイダーが販売されており、1本からでも購入可能です。秋田県の名産品であるにもかかわらず、スーパーで販売されているということは、それだけニテコサイダーが秋田県で暮らす人々の生活に馴染んでいるのです。
秋田県へ旅行に行ったとき、お土産を追加したかったり、買い忘れてしまったというようなときに、スーパーでさっと購入できるのも嬉しいですね。
道の駅
観光客が多く立ち寄る道の駅でも販売されています。お土産と一緒に販売されているため、複数本購入する人が目立ちます。
道の駅は、お土産の買い物だけではなく、食事や休憩でも利用することができます。食事のデザートとして、休憩のお供として、ニテコサイダーを飲んでみるのもおすすめです。
ニテコサイダーの工場が近くにある「道の駅 美郷」では、ニテコサイダー味のソフトクリームも販売しています。サイダーとソフトクリームの味を比べるのも楽しみ方の1つです。
東京都大田区の銭湯にも
ニテコサイダーが販売されているのは、秋田県内だけではありません。実は、遠く離れた東京都でも販売しているところがあります。そこは、東京都大田区です。
東京都大田区は美郷町の友好都市に指定されており、区内にある一部の銭湯で販売されています。銭湯での風呂上がりといえば牛乳ですが、ニテコサイダーが飲めるのです。風呂で温まった体で飲む冷たいニテコサイダーは、格別な味がします。
通販で取り寄せも可能!
現地で購入するのが難しい場合は、通販で取り寄せるのがおすすめです。ニテコサイダーの製造・販売元である「あきた美郷づくり株式会社」などが通販サイトでニテコサイダーを販売しています。1本から購入できるところもありますが、ほとんどの場合が6〜24本のまとめ売りとなっています。
サイトによっては、好きな味を選んで購入することもできるので、自宅にいながらニテコサイダーのいろいろな味を楽しめます。
ニテコサイダーの工場を見学しよう
「手づくり工房 湧子ちゃん」で見学ができる
ニテコサイダーを製造しているのは、「手づくり工房 湧子ちゃん」という施設です。ニテコサイダーの製造と、豆腐などの加工品の製造を同じ場所で行っています。それだけではなく、製造されている商品を販売する施設でもあります。もちろん、ニテコサイダーも販売されています。
ニテコサイダーの工場を見学したい場合は、まず問い合わせをする必要があります。日時を決めて予約する必要があるため、いきなり行っても見学はできません。予約を考えている場合は、他の観光地へ行く時間などの順番を考えながら、見学可能な曜日に予約を入れるようにしましょう。
工場見学をして、ニテコサイダーの製造工程や生産設備を知ることで、より美味しくニテコサイダーが飲めるようになります。
ショッピングも可能
「手づくり工房 湧子ちゃん」での工場見学の後は、楽しくショッピングをするのはいかがでしょうか。ニテコサイダーを購入できるのはもちろんですが、手作り豆腐やおからドーナツなど、製造しているものを購入することができます。
ただの豆腐やドーナツかと思いがちですが、美郷の名水を使った豆腐やドーナツなので、水の力の美味しさを楽しむことができます。
また、10種類以上あるジェラートも販売されています。おやつの時間に立ち寄ると、ついつい食べ過ぎてしまうようなラインナップです。
まとめ
ニテコサイダーはただのサイダーではなく、秋田県のきれいな湧水を使って作られた、こだわりのサイダーです。
県内で販売されているのはもちろんですが、美郷町ではニテコサイダーの製造工場を見学できたり、ニテコサイダーと同じように湧水を使って作られた加工品が購入できます。
お土産にもぴったりなニテコサイダーを、是非一度味わってみてください。