東北地方に位置していることから、雪が多くて、寒い地域なのが秋田県です。寒いとあまり外に出たくない人は多いですが、秋田県では、寒い冬でもたくさんのイベントが行われています。どんな冬のイベントが行われているのでしょうか。詳しく紹介します。
なまはげ柴灯(せど)まつり
冬に行われる秋田県のお祭りの代表格がなまはげ柴灯まつりです。真山神社を舞台に、なまはげが舞を繰り広げます。
秋田県の民族行事としても有名な男鹿のナマハゲは、もともと男鹿市内で行われています。大晦日の夜に、なまはげの衣装を着た地域の若い男性たちが「泣く子はいねがー!」と叫びながら家を回って歩きます。
一見恐ろしいなまはげですが、神の使いと信じられており、家に来てもらうことで、厄払いや豊作・豊漁がもたらされると言われています。そんな男鹿のナマハゲは、1978年に国重要無形民俗文化財に、2018年にはユネスコ無形文化遺産にも登録されました。
なまはげと真山神社の神事である柴灯祭が組み合わされたのがなまはげ柴灯まつりです。なまはげを見たことのない観光客もたくさん訪れ、乱舞に魅入られます。なまはげ柴灯まつりに行くには、事前の申し込みが必須です。
大館アメッコ市
400年ほど前から続いている大館市の冬の行事が大館アメッコ市です。ミズキという木の枝の先に小さな飴を飾った枝アメでおおまちハチ公通りが彩られ、露店が連なっています。お店では、切りアメ、細工アメ、飾られている枝アメなどのカラフルな飴が販売されています。
このアメッコ市の日に飴を食べると風邪をひかないという言い伝えがあり、たくさんの人が健康に毎日を過ごせるよう、販売されている飴を食べるのです。
飴の販売だけではなく、白ひげ大神巡行、秋田犬パレードなどのイベントも開催されています。例えば白ひげ大神巡行は、山の神様が街まで飴を買いに来る言い伝えを再現したものです。
見て楽しい、買って楽しい、食べて楽しいイベントです。子供も大人も楽しめます。
みたね冬まつり
秋田県三種町で開催されるのがみたね冬まつりです。雪遊びができる、東北にある秋田県ならではのイベントです。
ただ雪遊びをするだけではなく、ティラノサウルスレース・雪中ジャンボカルタ・宝探しゲーム・雪上バナナボートなど、様々なジャンルの雪遊びが体験できます。もともと雪が多い地域でも、積もることが少なくなった現代だからこそ、雪に触れられる貴重な経験をすることができます。
楽しいのは外だけではありません。会場の隣にある山本ふるさと文化館では、蚤の市が開催されています。会場内に並ぶお店では、雑貨や日用品が並んでおり、ショッピングが楽しめます。子供とお父さんは雪のイベントを楽しみ、お母さんはゆっくりショッピングをするという楽しみ方も可能です。
みたね雪まつりのティラノサウルスレースに参加するには、事前の申し込みが必要です。
横手のかまくら
約450年の伝統がある小正月の行事が横手のかまくらです。横手市では冬の風物詩として知られています。
かまくらの中には水神様が祀られています。そんなかまくら内では、子どもたちが火鉢でお餅を焼いたり、甘酒をふるまったりしてくれます。日中から行事は行われていますが、夜まで続いており、日が暮れると、かまくらの中の明かりが暗い雪景色の中で広がり、幻想的な雰囲気となります。
なかなかかまくらの中に入る機会はありません。寒そうに見えて実は思っているよりも暖かいかまくらに入ってみてください。
犬っこまつり
秋田県湯沢市で、愛犬祈願祭を行う行事が犬っこまつりです。
その歴史はなんと400年以上もあり、かつては厄除けや安全祈願が行われていましたが、雪で作られた犬の像やお堂があることから愛犬祈願をするようになったところ、犬がたくさん集まるようになったそうです。
旧正月の2日間に行われ、初日の夜には、メイン会場にあるステージで太鼓の演奏などの演目があります。そして、まだまだ寒い冬の空に豪華な花火が打ち上がるのです。
犬っこまつりの期間中には、民俗芸能発表会や、川連漆器総合展示会など、湯沢市ならではの様々なイベントが開催されます。犬っこまつりはもちろん、他のイベントにも足を運んでみるのはいかがでしょうか。
六郷のカマクラ
秋田県仙北郡美郷町で冬に行われているのが六郷のカマクラです。もともとは豊作祈願のお祭りとして行われており、700年以上もの長い歴史があります。
雪でかまくらを作って過ごすような行事ではありません。2月半ばの小正月の4日間がお祭りの期間となっており、初日に行われる蔵開き・天筆書初めから始まって、最終日の竹うち・天筆焼きまでがお祭りの重要な流れです。この祭りの流れが700年以上前から形を変えずに残っており、昭和57年には国の重要無形民俗文化財に指定されました。
特に竹うちは、8mほどある長い青竹を、地域の若い男性たちが南北に分かれて激しく打ち合いをします。その迫力は、一度見たら忘れられないでしょう。ただ、雪が足りていないと中止になることもあります。
十和田湖冬物語
花火大会は夏に行われるものですが、冬にあることもあります。そんな冬の花火大会の1つが十和田湖冬物語です。
冬の澄んだ空に打ち上がる花火が眺められます。入場料等は特に必要なく、無料で見ることができます。花火大会前の期間には、音楽と花火がマッチングした美しいショーが開催されたり、雪灯り横丁という屋台村で屋台料理が食べられます。温かい屋台料理を食べながら、美しい花火が楽しめます。
また、メッセージ付き花火も受付しています。1玉7,000円で、伝えたい思いを花火にして届けられます。思い出に残る花火を見てもらいたい時におすすめです。
峨瓏大滝ライトアップ
峨瓏大滝ライトアップは、藤里町の美しい自然が織りなす幻想的なイベントです。落差12メートルの滝が寒気で凍りつき、氷瀑(ひょうばく)と呼ばれる神秘的な姿を見せます。この現象を青白いライトで照らすことで、まるで時間が止まったかのような青の世界が広がります。
特に夕方から夜にかけて、滝が青から紫へと変化する光景は圧巻で、多くの人々を魅了します。この冬だけの特別な景色を、暖かい服装でぜひ体験してみてください。
比内とりの市
秋田県の郷土料理といえばきりたんぽ鍋ですが、きりたんぽ鍋の中に入れる具材といえば比内地鶏が最初に思い浮かぶ人が多いのではないでしょうか。そんな比内地鶏をメインにしたイベントが比内とりの市です。
会場の中央にある神殿では、比内鶏の供養と、食鳥の霊に感謝するための「感謝祭」と神楽の奉納が行われます。特設ステージでは、郷土芸能が見られたり、比内地鶏卵キャッチなどのイベントが行われます。
比内地鶏のきりたんぽ鍋や焼き鳥、大人気の千羽焼きといった、比内地鶏の料理を食べることができるのもこのイベントならではです。比内地鶏を、見る・遊ぶ・買う・食べるの4要素で楽しめます。
刈和野の大綱引き
大仙市で毎年2月ごろに行われる、迫力満点の綱引きが刈和野の大綱引きです。上町と呼ばれる二日町と、下町と呼ばれる五日町の2つの地域に分かれて綱引きを行います。
行事になるのですから、ただの綱引きではありません。使われている綱は、なんと直径約80cm、雄綱約64m、雌綱約50mもあり、大きさは国内でも最大級です。
実は、室町時代から行われている行事であり、国の重要無形民俗文化財にも指定されています。上町が勝つと米の値段が上がり、下町が勝つと豊作になるという言い伝えもあります。
当日飛び入り参加も可能で、毎年多くの人が参加しています。
まとめ
秋田県の冬のイベントは様々なものがありますが、カジュアルなイベントはもちろん、重要文化財に指定されるほどの歴史を持つ行事もあり、行事を通して歴史を体感することができます。
イベントには秋田県をより実感できるものが満載です。冬のイベントの日程に合わせて旅行するのもおすすめです。